子別れ

 前回の記事「反抗期」に続くものとして、また、3ヶ月前の記事、「子別れとしての子育て」を

参考にしてほしい。

 今年の夏は私にとって忘れられない夏になったかもしれない。6月、7月の連日降り続く梅

雨がやっと終わったかと安堵する間もなく、異常な暑さの夏。盛りには「もう今年こそはこの夏

が越えられそうもないな」と本気で思う始末。盆休みに、県外に暮らしている兄の家族と何年

ぶりかに出会った。義姉は少しやつれて見えた。兄は昨年、定年を迎え、今は新たな職場に

勤めているが、息子のことで、今、大変な思いをしていると切り出した。

 どちらかと言えば教育熱心な家庭で、息子は国立付属中、高を卒業後、1年浪人し、有名

私立大へ。途中、2年留年して、昨年卒業した。卒業前もその後も全く働こうとせず、家にこも

りっきりだそうだ。いわゆる、ニートである。高校3年頃から学校へあまり行かなくなったという

ことは、前に聞いたことがあるが、浪人して大学へ行ったので、やる気になったのだろうと思っ

ていた。「あの子は小さい時から、頭が少し良かったからねぇ。変に期待をかけてしまったん

よ。バカだったらよかったのに・・・」と義姉がぽつんと言った。

「おいおい、うちへのあてつけかよ・・」と思いはしたが、「そうよね。」と聞いていた。

高校の途中で「単位が足りそうにない。このままでは卒業が難しい」と警告され、親が必死に

なって、協力し、学校へ連れて行き、勉強を見てやり、何とか卒業させたのだった。

大学受験も親が決め、「私立なら、受験科目も少なくていいし、ここなら、有名校だし、今から

は勉強だけしていたらいいから、頑張れ!」と両親が励まし、合格させた。途中で留年した時

も、「学費は心配しなくてもいいから、後もう少しの辛抱だ、何とか卒業までこじつけよう」

年間180万円もする、私大の授業料は心配いらないとまで言い切れる程の家庭ではあるま

いと思うのだが、必死で卒業させたいと思う親の心からの言葉なのだった。

 やっとの思いで、息子の大学卒業を手にした兄夫婦。だが、かわいい息子はそれ以上の

人生設計を持っていなかった・・・。やれやれ、やっと終わった・・・。もう、自分の任務を果たし

切ったように何もしなくなり、昼間は寝て過ごし、夜には自分の部屋で好きに過ごしていると

言う。もう、前のように何を注意しても、何をさせようとしても自分たちの言うことには耳を貸さな

くなってしまったそうだ。

団塊の世代よりは少し前の兄夫婦の世代は学歴至上主義の時代を生きてきたのだ。大卒

の少ない時代に大学を卒業し、一流企業の出世街道をひた走ってきたのだった。

でも、時代は少しずつ変化してきていることが分からなかったのだろうか。今は、やる気のない

人間にとっては学歴は何の役にもたたない世の中になっていることを知らないのか!

 情けない思いでいっぱいだった。この親たちは、自分たちが、子どもを駄目にしてしまった

ことをまだ、分かっていない、いや、うすうす、感じ始めてはいるが、まだ、信じられない

という顔をしている。こうやって、いつまでも、永遠に、大人になれない息子を養育していく

つもりなのだろうか。

 高校でつまづいた時、親が助け舟を出さなかったら?

卒業はできなかったかも知れない。でも、働くことはできたのではないか。

大学の授業料も、親が困っている顔をしていたら?

アルバイトでもやってみたかも知れない。

どうしてこう、先回りして、援助しながら、結局、どうしようもない袋小路へと連れて行ったの

だろうか?

この子を軌道修正するのは、親が気持ちを変えなければ、永遠にできないと思う。

子どもの反抗期はやはり、重要で、子どもが一人でも生きていけるように、目一杯、親も

正義を通し、せっかくの芽をつぶすことのないように、しっかりと反抗できるようにしてあげたい

ものだ。可愛い子には、本当の意味での「子別れ」が必要なのだ。



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この記事へのコメント

2006年09月15日 00:55
 こんばんは。
ニートを作ってしまうヒントのような記事でしたね。
子別れって、難しいんでしょうけど。
学歴よりも、手に職をつけるような進路を子供達に考えてあげたいと思ってます。Nsにはさせたくないですけどね・・・。
ba-cha
2006年09月15日 11:18
♪とみーさん、こんにちは。重い記事にコメント、ありがとうございます。みなさんにはまだまだ、先のことなんですが、大事なのは、子どもを一人の人間として、接していくことではないか、と思うのです。上から「ああなれ、こうなれ」、下から、「これしてあげよう」ではなくて、人格を認め、子どもの行こうとする方向を認めてあげることも大切かなと思います。
2006年09月15日 16:32
こんにちは!うまく言葉には出来ないのですが、今の状況の私にはba-chaさんの言葉がとても励みになるっていう事は伝えたいです。
2006年09月15日 23:47
 こんばんは、ba-chaさん。
本当ですね。子供は僕の持ち物ではないですからね。
ただ、僕も嫁さんもいつか子供達の前からいなくなる時が必ず来ますよね。
その時に僕の子供達が幸せに生きて行ってくれるように、手助けをしてやりたいと思っています。
 宿題やらなくていいなんて言ってますけどね~(笑)
ba-cha
2006年09月16日 11:37
♪ Decoさん、こんにちは。まだまだ、今は序の口で、これからいろんなことが一杯起こってくると思います。すべては、この子にとって必要なこと、と心のどこかに入れておいてください。子育ては泣いたり、笑ったり・・本来、楽しいものなんですもの。
ba-cha
2006年09月16日 11:46
♪ とみーさん、ありがとうございます。そうですよね。親はやっぱり、子どもに幸せに生きていってほしい、それが願いなんですよね。そのためにああでもない、こうでもない、といろいろと試行錯誤していくのでしょうね。失敗もその一つとして楽しめるようになったらいいですよね。

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